2024年秋(9月〜11月)の天候

2024年12月2日 作成

2024年秋(9月〜11月)の特徴

* 気温は、全国的にかなり高かった

気温は、暖かい空気に覆われやすかったため、全国的にかなり高かった。東・西日本と沖縄・奄美では1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の高温となった。全国153の気象台等のうち120地点で、秋の平均気温が歴代1位の高温となった(4地点のタイ記録を含む)。また、地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の秋の平均気温(*)の基準値からの偏差は+1.97℃で、これまでに最も高かった2023年の+1.39℃を0.58℃上回り、統計を開始した1898年以降の秋として1位の高温となった。

* 降水量は、北日本太平洋側でかなり少なかった一方、東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多かった

降水量は、高気圧に覆われやすかった北日本太平洋側でかなり少なかった。一方、低気圧や前線の影響を受ける時期のあった東日本日本海側と台風の接近が多く湿った空気の影響を受けやすかった沖縄・奄美でかなり多かった。

* 日照時間は、北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった

日照時間は、高気圧に覆われやすかった北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。

概況

北日本では寒気の影響を受ける時期があったものの、おおむね秋を通じて全国的に暖かい空気に覆われやすかったため、秋の平均気温は全国的にかなり高かった。秋の平均気温平年差は東日本で+2.4℃、西日本で+2.5℃、沖縄・奄美で+1.4℃となり、1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の高温となった。全国153の気象台等のうち120地点で、秋の平均気温が歴代1位の高温となった(4地点のタイ記録を含む)。また、地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の秋の平均気温(*)の基準値からの偏差は+1.97℃で、これまでに最も高かった2023年の+1.39℃を0.58℃上回り、統計を開始した1898年以降の秋として1位の高温となった。北日本を中心に高気圧に覆われやすかったが、東・西日本日本海側では11月を中心に低気圧や前線の影響を受ける時期があり、沖縄・奄美では台風の接近が多く湿った空気の影響を受けやすかった。このため、秋の降水量は北日本太平洋側でかなり少なく、東日本太平洋側で少なかった一方、東日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、西日本日本海側で多かった。秋の日照時間は北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東・西日本日本海側で多かった一方、沖縄・奄美で少なかった。

(*)都市化による影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域的に偏りなく分布するように選定した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島)の気象台等の観測値を用いた統計。

平均気温は、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり高かった。

降水量は、東日本日本海側、沖縄・奄美ではかなり多かった。西日本日本海側では多かった。北日本太平洋側ではかなり少なかった。東日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。

日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側ではかなり多かった。東日本日本海側、西日本日本海側では多かった。沖縄・奄美では少なかった。東日本太平洋側、西日本太平洋側では平年並だった。

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況
(図表)気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

* 平均気温の高い記録を更新した地域

東日本、西日本、沖縄・奄美、関東甲信地方、北陸地方、東海地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部・奄美地方、九州南部、奄美地方、沖縄地方

* 平均気温の低い記録を更新した地域

なし

* 降水量の多い記録を更新した地域

なし

* 降水量の少ない記録を更新した地域

なし

* 日照時間の多い記録を更新した地域

なし

* 日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均)
(図表)旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1
(図表)気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1

月別の天候経過

9月の天候

10月の天候

11月の天候

循環場

500hPa高度場等の特徴

500hPa高度は朝鮮半島付近を中心に広い範囲で平年より顕著に高く、亜熱帯ジェット気流は日本付近では9~10月を中心に平年の位置より北側を流れやすかった。このため、日本付近は暖かい空気に覆われやすかった。海面気圧は、北海道付近を中心に平年より高く、北日本を中心に高気圧に覆われやすかった。一方、東シナ海は平年より低く、沖縄・奄美は台風や湿った空気の影響を受けやすかった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます)
2024年秋(9月〜11月)平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) 2024年秋(9月〜11月)平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃)
2024年秋(9月〜11月)平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) 2024年秋(9月〜11月)平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。

資料





: 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。

※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。

※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。

このページのトップへ