1.1(2) 東京・名古屋・大阪の3都市の平均と15地点平均の年平均気温偏差の経年変化

概要

  • 1950年代後半から1970年頃にかけて東京・名古屋・大阪の3都市平均と15地点平均注1の差が急速に広がった。
(注1)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)の平均。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありませんが、同じ15地点の平均から算出される日本の平均気温の上昇率は、日本近海の海域を平均した年平均海面水温の上昇率**と同程度の値であり、都市化の影響が比較的小さいと考えられます。(**1908~2023年までのおよそ100年間にわたる日本近海における海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.28°C/100年(気候変動監視レポート2023))

東京・名古屋・大阪の3都市平均と15地点平均の年平均気温偏差の経年変化

図 東京・名古屋・大阪の3都市平均と都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均注1の年平均気温偏差及び日本近海の平均海面水温の経年変化とその差の経年変化(1927注2~2023年)

東京・名古屋・大阪の3都市平均と都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均の年平均気温偏差及び日本近海の平均海面水温の経年変化とその差の経年変化(1927~2023年)

折れ線(赤)は東京・名古屋・大阪の3都市平均の年平均気温の基準値(1927~1956年平均値)からの偏差を、折れ線(黒)は都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点注1それぞれの年平均気温の基準値からの偏差を平均した値、折れ線(青)は日本近海の平均海面水温の基準値からの偏差を表す。したがって、いずれも1927~1956年の30年平均値は0で一致する。棒グラフ(オレンジ)は3都市平均の偏差と15地点平均注1の偏差の差を示すものであり、3都市平均の年平均気温と15地点平均の年平均気温の差ではない。

(注2)統計期間は、国内主要都市の統計値が揃う1927年以降としています。

各地点のデータ

解説

図を見ると、1950年代後半から1970年頃にかけて東京・名古屋・大阪の3都市平均と15地点平均注1の差が急速に広がったことが分かります。この期間に都市部の気温が大きく上昇した一因として、高度経済成長に伴う都市化の進展が寄与した可能性が推察されます。

参考


ヒートアイランド現象へ戻る

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ