1.3 気温の階級別日数の長期変化傾向

概要

  • 冬日の年間日数は、各都市で減少しているとみられる。
  • 熱帯夜、真夏日、猛暑日の年間日数は、札幌を除いて増加しているとみられる。
  • 各都市における長期変化傾向には、地球温暖化に加えて、都市化による気温上昇の影響が現れていると考えられる。

気温の階級別日数の長期変化傾向

表 大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均の冬日、熱帯夜、真夏日、猛暑日の年間日数の長期変化傾向(1927注1~2023年)
地点 冬日
(日/100年)
熱帯夜
(日/100年)
真夏日
(日/100年)
猛暑日
(日/100年)
札幌 -46 1 4 0
仙台 -58 7 14 1
横浜 -58 34 24 3
名古屋 -67 39 15 12
京都 -70 39 16 16
福岡 -47 49 15 12
13地点平均 -21 19 8 3
数値ファイル(csv形式) 冬日 熱帯夜 真夏日 猛暑日

100年あたりの変化率を示す。統計期間は1927注1から2023年まで。斜体字灰色セル(数値ファイルでは*を付加した値)は信頼水準90%以上で統計的に有意な変化傾向がないことを意味する。なお、大都市11地点中の5地点(東京、新潟、大阪、広島、鹿児島)及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点注2中の2地点(飯田、宮崎)は、観測場所の移転に伴う影響を除去することが困難なため、比較対象から除いている。

(注1)表中の統計期間は、国内主要都市の統計値が揃う1927年以降としています。

(注2)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありませんが、同じ15地点の平均から算出される日本の平均気温の上昇率は、日本近海の海域を平均した年平均海面水温の上昇率**と同程度の値であり、都市化の影響が比較的小さいと考えられます。(**1908~2023年までのおよそ100年間にわたる日本近海における海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.28°C/100年(気候変動監視レポート2023))

各地点のデータ

解説

冬日の年間日数は、各都市で減少しているとみられ(いずれも信頼水準90%以上で統計的に有意)、熱帯夜、真夏日、猛暑日の年間日数は、札幌を除いて増加しているとみられます(発生頻度の非常に少ない札幌の真夏日、猛暑日を除き、いずれも信頼水準90%以上で統計的に有意)。各都市における長期変化は、都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均と比べて概ね大きく、都市化による気温上昇の影響が現れていると考えられます。

なお、気象庁の統計値において、1953~1963年の期間は日界(日別値を求める際に用いる一日の区切り)を9時として日最高・最低気温を観測していました。冬日、熱帯夜、真夏日、猛暑日の年間日数もこの期間は9時日界として算出しています。

参考


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