温室効果ガス等の観測地点(昭和基地)
気象庁では、南極の昭和基地において、世界気象機関(World Meteorological Organization: WMO)の「全球大気監視」(Global Atmosphere Watch: GAW)計画の一環となる、地上オゾンの濃度を観測しています。 なお、GAW計画における気象庁の観測については、 「温室効果ガス等の観測地点」 もご参照ください。
昭和基地(南極)
南極の昭和基地は、リュツォ・ホルム湾東岸の南極大陸氷縁から西に約4km 離れた東オングル島に位置しており(図1)、各種施設は東オングル島北部の東西約1.5km、南北約1kmの範囲に設置されています。
地上オゾン観測は1997年1月から旧水素ガス発生機室(基地主要部から西に約100m)行っていましたが、2008年5月に基地主要部から東に約300m離れた清浄大気観測小屋へ観測場所を変更しました。昭和基地は、年間を通じて北東風が卓越しているため、人為的な汚染の影響はほとんどありません。また、エーロゾル観測は1985年2月から旧気象棟で実施していましたが、2020年2月からは旧気象棟の近くに建設された基本観測棟の屋上で実施しています。
昭和基地での観測種目、使用測器などは表1のとおりです。オゾン層及び紫外線観測関連については、
こちら
をご参照ください。
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観測種目 | 観測開始 | 観測頻度 | 使用測器 |
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地上オゾン | 1997年1月 | 連続 |
紫外線吸収式オゾン濃度計
Dylec Inc. MODEL1100(*1)(1997年1月~2010年1月) EBARA JITSUGYO CO.,LTD. EG-3000F(*2) ※2010年2月以降は(*1)と(*2)を隔年で使用 |
エーロゾル | 1985年2月 | 連続 |
サンフォトメータ
EKO Instruments CO.,Ltd. MS-110(1985年2月~2011年1月) PMOD/WRC Precision Filter Radiometer(2011年2月~2020年1月) スカイラジオメータ PREDE POM-02(2020年2月~) |
昭和基地の気候
昭和基地は大陸から約4km離れた東オングル島に位置するため、斜面下降風(カタバ風)の影響が少なく、南極の基地のうちでは比較的暖かく風もそれほど強くはない沿岸弱風帯に属しています。1991~2020年の年平均気温は−10.5℃、年平均風速は6.6m/sとなっています。昭和基地は極域にあるため、6月上旬から7月中旬にかけては極夜となり、11月上旬から1月中旬にかけては白夜となります。観測開始以来の最高気温は10.0℃(1977年1月21日)、最低気温は−45.3℃(1982年9月4日)を記録しています。発達した低気圧が接近すると強風と降雪をもたらしブリザードとなります。ブリザードは、年間平均で27回程度あり、平均延べ日数も50日を超えます。最大風速の極値は47.4m/s(2009年2月20日)、最大瞬間風速の極値は61.2m/s(1996年5月27日)を記録しています。年間雪日数は平均約200日で、11~1月の白夜期でも月10日以上と年間を通して降雪があります。
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昭和基地の風配図を図5に示します。年間を通して北北東~東北東の風が卓越し、年平均風速は6.6m/sとなっています。
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関連情報
昭和基地以外の温室効果ガス等の観測地点に関する情報です。
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気象庁が昭和基地で行っている観測全般に関して紹介します。
- 南極観測について (気象庁ホームページ)