温室効果ガス等の観測地点(与那国島)
気象庁では、与那国島において、世界気象機関(World Meteorological Organization: WMO)の「全球大気監視」(Global Atmosphere Watch: GAW)計画の一環となる温室効果ガス等の大気濃度を、1997年から2024年3月まで観測していました。 なお、GAW計画における気象庁の観測については、 「温室効果ガス等の観測地点」 もご参照ください。
与那国島特別地域気象観測所
与那国島特別地域気象観測所(2008年9月までは与那国島測候所)のある沖縄県八重山郡与那国町は、台湾までの距離がわずか110kmの日本最西端に位置します(図1)。与那国島は周囲約27.5km、面積約28.9km2
の東西に長い島です。観測所は北側の海岸近くにあって、牧草地とサトウキビ畑に囲まれています。また、観測所は集落の東端にあり、卓越風向が北北東~北東及び南で、西風の出現頻度はほとんどないため、台湾を含め、汚染源が集中する西方からの影響はほとんど受けません。このため、南西諸島域を代表するGAW地域観測所としての設置条件を満足すると考えられます。
与那国島特別地域気象観測所での観測種目、使用測器などは表1のとおりです。
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観測種目 | 観測開始 | 観測頻度 | 使用測器 |
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二酸化炭素 (2024年3月終了) |
1997年1月 | 連続 |
非分散型赤外線分析計
・HORIBA, Ltd. VIA510R (1997年1月~2007年12月) ・LI-COR Biosciences, Inc. LI-7000(2008年1月~2024年3月) |
メタン (2024年3月終了) |
1998年1月 | 連続 |
非分散型赤外線分析計
・HORIBA, Ltd. GA360-S(1998年1月~2007年12月) 水素炎イオン化検出器(FID)搭載 ガスクロマトグラフ ・Round Science Inc. RCG-1 (2008年1月~2024年3月) |
一酸化炭素 (2024年3月終了) |
1998年1月 | 連続 |
非分散型赤外線分析計
・HORIBA, Ltd. GA360-S(1998年1月~2007年12月) 還元性ガス検出器(RGD)搭載 ガスクロマトグラフ ・Round Science Inc. TRA-1(2008年1月~2024年3月) |
地上オゾン (2024年3月終了) |
1997年1月 | 連続 |
紫外線吸収式オゾン濃度計
・EBARA JITSUGYO CO.,LTD. EG-2001F(1998年1月~2007年12月) 紫外線吸収式オゾン濃度計(温度・圧力補正付) ・Thermo Fisher Scientific Inc. 49i(2008年1月~2024年3月) |
エーロゾル光学的厚さ (2016年3月終了) |
1998年1月 | 3回/1日 |
サンフォトメータ
・EKO INSTRUMENTS CO.,LTD. MS-110(1998年1月~2007年3月) |
連続 |
サンフォトメータ
・PMOD/WRC Precision Filter Radiometer(2007年4月~2016年3月) |
与那国島の気候
与那国島の気候は、冬季には大陸の高気圧、夏季には太平洋高気圧の影響を受けます。1991~2020年の統計によると、5~10月の月平均気温は25℃を超えますが、1~2月の月平均気温は18~19℃で15℃以下となる日もあり、年平均気温は24.0℃です。ほぼ同緯度に位置する南鳥島に比べ、夏季は同程度の気温ですが冬季は4℃程度低く、年較差が大きくなっています。年降水量は約2320mmで、主に冬季の季節風、梅雨及び台風によりもたらされます。
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1991~2020年の統計による年間と月ごとの風配図を図4に示します。大陸の高気圧の影響を受ける期間は北北東~北東の風が卓越し、太平洋高気圧の影響を受ける期間は南よりの風が卓越します。冬季には日最大風速10m/sを超える日が半分以上あり、曇りや雨の日が多くなっています。年平均風速は6.7m/sです。
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関連情報
与那国島以外の温室効果ガス等の観測地点に関する情報です。
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