歴史的潮位資料 フラグ付きデータとは
オリジナルデータに品質管理を施し、修正の種類や根拠資料等によって分類したフラグを付加したデータを、フラグ付きデータとして掲載しています。
品質管理の情報を独自にカスタマイズして利用したい方や、再解析値で欠測としている修正不能の期間のデータを利用したい方は、こちらのデータをご利用ください。
※こちらのデータは、調査・研究等にデータを利用される方向けです。気象庁が品質管理したデータを利用したい方は、再解析値をご利用ください。
データ概要
- データ形式:テキストデータ形式(1地点・1月分のデータで1ファイル)
- 取得方法:各種潮位データ・品質管理情報の一括ダウンロードのページで地点と品質管理情報(歴史的潮位資料)を選択して表示されるリンクから、全月のファイルを一括ダウンロード
- フォーマット:フラグ付きデータファイルフォーマットを参照
利用上の注意点
- フラグ付きデータのフォーマットは、再解析値の毎時潮位テキストデータやオリジナルデータとは異なります。
- 修正・補正が可能なデータは補正されていますが、不可能だったデータ(フラグ7、A、C、E、Fのデータ)は、数値はそのままでフラグを付加する形をとっています。利用者ご自身で利用の可否を判断し、必要に応じて欠測に変換する等の処理を行ってください。
- 基準面の変更やデータの異常等が重なる場合、1つのデータに複数のフラグが付加されていることがあります。修正・補正可能なフラグが複数付加されている場合は、データはすべての修正・補正が適用された値が収録されています。
- フラグの分類、意味等は、下の表の通りです(+ボタンをクリックしてください)。
フラグ付きデータファイル フラグ一覧
種別 | 判断に用いた方法や着目点 | フラグ | 意味 | 備考 | 例 | |
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正常 | 0 | 正常 | ||||
自記紙からの記載ミス(時刻ずれでないもの) | カルマンフィルター1による客観的な手法等で時別値の異常値(突出データ)の候補を抽出し、近隣地点との比較、当時の気象状況との整合性などから総合的に判断 | 1 | 記載ミスの修正(客観的な指標を利用:大幅な修正) | 主に太平洋側に位置する、満干の差が大きい地点では概ね30センチ以上の修正の場合に、主に日本海側に位置する、満干の差が小さい地点では概ね15センチ以上の修正の場合にそれぞれ付加 | 記載ミスの例 | |
2 | 記載ミスの修正(客観的な指標を利用:小幅な修正) | 主に太平洋側に位置する、満干の差が大きい地点では概ね30センチ未満の修正の場合に、主に日本海側に位置する、満干の差が小さい地点では概ね15センチ未満の修正の場合にそれぞれ付加 | ||||
カルマンフィルター1による客観的な手法で時別値の異常値(突出データ)の候補を抽出し、自記紙と照合 | 3 | 記載ミスの修正(自記紙との照合による) | ||||
記録シフト(ある期間の潮位が上下にずれていること) | 観測原簿や概報に記載された基準面の情報を利用 | 4 | 記録シフトの修正(原簿,概報との突合せ) | 記録シフトの例 | ||
観測原簿等以外の文献の情報を利用 | 5 | 記録シフトの修正(文献の記載を利用) | ||||
平均潮位の差による補正 | 6 | 記録シフトの修正(平均潮位の差による補正) | ||||
4~6で修正できなかったもの | 7 | 記録シフト(修正不能) | ||||
記録の時刻ずれ | カルマンフィルター1による客観的な手法で天文潮位と比較し、近隣地点との比較、当時の気象状況との整合性などから総合的に判断 | 8 | 記録の時刻ずれの修正 | 記録の時刻ずれの例 | ||
9 | 記録の時刻ずれの修正(内挿値) | |||||
観測機器の状態悪化や観測環境の悪化による長期的にデータに見られる不自然な変動 | 観測環境の悪化 | ウェーブレット解析2や観測時の特記記録、天文潮位との比較、近隣地点との比較、当時の気象状況との整合性などから総合的に判断 | A | 異常値(観測環境の悪化,修正不能) | 導水管の詰まり、底打ち等、観測環境の悪化による異常値に付加 | 異常値の例 |
B | 異常値の修正(観測環境の悪化) | 導水管の詰まり、底打ち等、観測環境の悪化による異常値を修正した場合に付加 | ||||
観測機器の状態の悪化 | C | 異常値(観測機器の状態の悪化,修正不能) | 時計の遅速等、観測機器の状態の悪化による異常値に付加 | |||
D | 異常値の修正(観測機器の状態の悪化) | 時計の遅速等、観測機器の状態の悪化による異常値を修正した場合に付加 | ||||
その他 | A、B、C、Dで原因特定できなかったもの | E | 異常値(その他,修正不能) | |||
疑問値・推定値 | 1~3で修正・判断できなかったもの | F | 疑問値(修正不能・判断不能) | 記載ミスの例 | ||
原簿等に推定値を利用した旨の記載があるもの | G | 推定値 | 推定値の例 | |||
特別な処理 | 年平均潮位と2年前までの5年間の平均潮位を比較 | H | 顕著な地盤沈下等により、潮位偏差の算出に影響があると思われる期間 | 通常は2年前までの5年間の平均値を用いる平均潮位(MSL)に当年1年間の平均値を使用して、毎時潮位偏差を算出 | 通常と異なる統計処理の例 | |
原簿等に実測値を利用した旨の記載があるもの | I | オリジナルデータに平滑化をしていない実測潮位を使用していた期間 | 平滑化処理を実施 |
2 時間-周期解析。ここでは、潮位の位相の遅速により潮位偏差に現れる周期的な変化を抽出するために用いた。