日本近海の海面水温
令和7年2月20日 気象庁発表
(次回発表予定 2月28日)
診断(2025年2月中旬)
- 日本海北部、北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中A)。
- 日本海南部、四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域が拡大しました(図中B)。
- 東シナ海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました(図中C)。
- 沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中D)。
- 南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中E)。
日本近海の海面水温平年差分布図(2月19日)
海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
日本近海の海面水温
日本海北部、北海道南東方、本州東方では、平年より風が強かった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中A)。北海道南東方、本州東方で海面水温が平年より高いことには、下層の暖水の影響もあると考えられます。
日本海南部、四国・東海沖、関東南東方では、平年より風が強い期間があったことや寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年よりかなり低い海域が拡大しました(図中B)。四国・東海沖で海面水温が平年よりかなり低い海域がみられることには、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響もあると考えられます。
東シナ海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました(図中C)。
沖縄の東、父島近海では、平年より風が強い期間があったことや寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中D)。
南鳥島近海では、平年より風が強かったことに加え、平年より日射量が少なかった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中E)。
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
今後の見通し
日本海北部、本州東方の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。
北海道南東方の海面水温は、向こう1か月、平年よりかなり高いでしょう。
日本海南部の海面水温は、向こう1か月、平年並でしょう。
東シナ海、関東南東方、沖縄の東、沖縄の南の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。
四国・東海沖の海面水温は、向こう1か月、平年より高くなるでしょう。
- 参考情報:海面水温・海流1か月予報(2月20日)
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。