日本近海の海面水温

令和6年12月20日 気象庁発表
(次回発表予定  12月27日)

診断(2024年12月中旬)

  • オホーツク海南部、日本海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっています(図中B)。
  • 東シナ海北部、四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました(図中C)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域が拡大しました(図中D)。
  • 東シナ海南部では、引き続き海面水温が平年より高い海域がみられます(図中E)。
  • 沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられます(図中F)。
  • 父島近海、南鳥島近海の東経155度以西では、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中G)。一方、南鳥島近海の東経155度以東では、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられます(図中H)。

日本近海の海面水温平年差分布図(12月19日)
日本近海の海面水温平年差分布図(12月19日)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、日本海では、寒気の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高くなっています(図中A)。

北海道南東方、本州東方では、寒気の影響に加え、平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっています(図中B)。海面水温が平年よりかなり高いことには、下層の暖水の影響もあると考えられます。

東シナ海北部、四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました(図中C)。四国・東海沖の海面水温が平年より低い海域では、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響もあると考えられます。

関東南東方では、平年より日射量が少なかったことと、寒気の影響で、海面水温が平年より低い海域が拡大しました(図中D)。

東シナ海南部では、引き続き海面水温が平年より高い海域がみられます(図中E)。

沖縄の東、沖縄の南では、平年より日射量が少なかったことと、寒気の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小しましたが、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられます(図中F)。

父島近海、南鳥島近海の東経155度以西では、平年より日射量が少なかったことと、平年より風が強い期間があった影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中G)。一方、南鳥島近海の東経155度以東では、引き続き広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられます(図中H)。

今後の見通し

オホーツク海南部、日本海北部の海面水温は、向こう1か月、平年より高いか、かなり高いでしょう。

北海道南東方、本州東方の海面水温は、向こう1か月、平年よりかなり高いでしょう。

日本海南部、沖縄の東の海面水温は、向こう1か月、平年より高いでしょう。

東シナ海、関東南東方の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より低いでしょう。

四国・東海沖、沖縄の南の海面水温は、向こう1か月、平年並か平年より高いでしょう。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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