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二酸化炭素濃度の経年変化

 温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)の解析による2015年の世界の平均濃度は、前年と比べて2.3ppm増えて400.0ppmとなっています。
工業化以前(1750年頃)の平均的な値とされる278ppmと比べて、44%増加しています。
(ppmは体積比で100万分の一を表します。)

気象庁の観測点における二酸化炭素濃度および年増加量の経年変化

気象庁の観測点での大気中の二酸化炭素濃度と濃度年増加量の経年変化

一部の観測値は速報値です。観測値の状況については月平均値をご参照ください。


 気象庁の観測地点である綾里、南鳥島及び与那国島における大気中の二酸化炭素濃度と、その時系列データから季節変動や、それより短い周期成分を取り除いた濃度及び濃度年増加量の経年変化を図に示します。いずれの観測地点においても、季節変動を繰り返しながら二酸化炭素濃度は増加し続けています。
 二酸化炭素濃度の季節変動は主として植物の活動によって生じています。夏季に植物の光合成が活発化することで濃度が減少し、冬季には呼吸・分解活動が優勢となって濃度が上昇するためです。実際、3地点のうち最も北に位置する綾里では植生の豊富なアジア大陸の北方の大気が流入しやすいため、与那国島や南鳥島に比べて季節変動の振幅が大きくなっています。
 一方、ほぼ同緯度に位置する与那国島と南鳥島での二酸化炭素濃度を比べると、夏季には同程度である一方、冬季には与那国島の方が高くなっています。これは、夏季に海洋上のよく混合された大気が両地点に流入するのに対し、冬季には人為起源排出や植物の呼吸・分解活動によって二酸化炭素濃度が高くなったアジア大陸の大気が季節風によって与那国島に流入しやすいためです。

 二酸化炭素濃度の年増加量はいずれの観測地点においても一定ではなく、年々変動がみられます。年増加量が大きくなる時期はエルニーニョ現象の発生時期におおむね対応しています。これは、エルニーニョ現象がもたらす熱帯域を中心とした高温と少雨により植物の呼吸や土壌有機物分解作用の強化および植物の光合成活動の抑制が生じ、陸上生物圏から大気への二酸化炭素放出が強まるためです。最近の例では2014~2016年のエルニーニョ現象発生に伴い、二酸化炭素濃度が大きく増加しました。
 二酸化炭素濃度の年々変動の要因について、より詳しい説明はこちらをご覧ください。

地球全体の二酸化炭素の経年変化

二酸化炭素濃度の全球平均経年変化グラフ


 温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)のデータを統計的手法で解析し、それにより求められた地球全体の二酸化炭素濃度(WDCGG解析値)の経年変化を示します。
 地球全体で見ても、濃度が上昇していることが分かります。


緯度帯ごとに平均した大気中の二酸化炭素濃度の変動



緯度帯ごとに平均した大気中の二酸化炭素濃度の変動


 WDCGGが収集したデータをもとに、緯度帯別に平均した大気中の二酸化炭素月平均濃度の経年変化を示します。
 緯度帯別に見ると、相対的に北半球の中・高緯度帯の濃度が高く、南半球では濃度が低くなっています。これは、二酸化炭素の放出源が北半球に多く存在するためです。
 また、春から夏に減少し、夏から翌春にかけて増加する季節変動は、主に陸域の植物活動によるものです。このため、陸域面積の多い北半球では季節変動の振幅が大きく、陸域の面積の少ない南半球では振幅が小さくなっています。



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