エルニーニョ監視速報(No.407)
2026年7月の実況と2026年8月〜2027年2月の見通し
気象庁 大気海洋部
令和8年8月10日

  • 2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられる。
  • 今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

エルニーニョ監視指数の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値の経過と予測
赤い折れ線グラフはエルニーニョ監視海域の監視指数(観測値)の5か月移動平均値の経過、黄色のボックスは大気海洋結合モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)を示す。ピンクの部分は監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上、水色の部分は-0.5℃以下の範囲を示す。

監視指数は、エルニーニョ監視海域(北緯5度-南緯5度、西経150度-90度)で平均した海面水温について、各月の値と基準値(その年の前年までの30年間の各月の平均値)の差を取ったもの。
気象庁では、監視指数の5か月移動平均値がピンク(+0.5℃以上)/水色(-0.5℃以下)の範囲に入っている状態で6か月以上持続した場合に、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生としている。

エルニーニョ監視指数の確率予測(予測期間:2026年6月〜2026年12月)

平均期間各月の確率
2026年 6月2026年4月〜2026年8月
7月2026年5月〜2026年9月
8月2026年6月〜2026年10月
9月2026年7月〜2026年11月
10月2026年8月〜2026年12月
11月2026年9月〜2027年1月
12月2026年10月〜2027年2月
高い 平常 低い
図2 各月のエルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が各カテゴリー(高い/平常/低い)に入る確率(%)
エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が高い(+0.5℃以上)/平常(-0.4℃〜+0.4℃)/低い(-0.5℃以下)の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。

図の見方の詳細については、「図表の見方」をご参照ください。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 7月の実況:2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられる。 7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.5℃で基準値より高く、7月としては1949年以降では1997年と並び最も大きい値となった(図3)。エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の5月の値は+1.3℃となった(図1)。太平洋赤道域の海面水温は、中部と東部では平年より高く、西部では平年より低かった(図4図6)。太平洋赤道域の海洋表層の水温は、中部と東部では平年より高く、西部では平年より低かった(図5図7)。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近では平年よりかなり活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年よりかなり弱かった(図8図9図10)。このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象時の特徴が強まっていることを示している。このことから、2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられる。(8月10日に2行目の統計期間について「1949年以降」に訂正しました)
  • 今後の見通し:今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。 実況では、太平洋赤道域の中部から東部に見られる海洋表層の暖水が、中部から東部の海面水温の高い状態を維持している。大気海洋結合モデルは、今後も大気と海洋の相互作用により、太平洋赤道域の中部から東部の海洋表層の暖水を強化し、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬にかけて上昇して基準値より高い値で推移し、これまでピークの値が最も大きかった1997年に匹敵する値になると予測している(図11)。以上のことから、今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 7月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。今後、冬にかけて基準値より低い値で推移すると予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: 7月のインド洋熱帯域(IOBW)の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。今後、冬にかけて基準値より高い値で推移すると予測される(図13)。7月のインド洋ダイポールモード(IOD)指数は+0.40で、西部で海面水温が平年より高かった(図3図4)。

7月の日本と世界の天候への影響

  • 日本: エルニーニョ現象時の特徴は明瞭に見られなかった。今後の日本の天候については、最新の季節予報を参照されたい。
  • 世界: 南アジアと中部太平洋熱帯域~中米~南米北部の高温、メラネシア~ポリネシア南西部の低温、太平洋熱帯域とペルー南部~チリ中部の多雨、南アジア及びその周辺、東南アジア南部、南米北部及びその周辺の少雨が、エルニーニョ現象時の特徴に一致していた。

主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率と見通しの表現

* 主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率は、図2の各月の確率を基に、エルニーニョ監視海域の監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.5℃以下の状態が6か月以上持続する可能性を総合的に評価したもの。
 主文における表現は、この発生確率を基に季節単位で下表の表現を用いて記述するが、状況により異なる表現を用いることもある。
発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:9月9日14時

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