4.11 大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均の月平均相対湿度の長期変化傾向

要素:

ここでは気象庁の観測データを基に、大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均の月平均相対湿度のこれまでの変化を示します。

  • 都市化率 注1の大きい都市における平均相対湿度の100年あたりの低下率は、都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均より大きい。
  • 月別では、6月や7月の低下率が最も小さい。
(注1)ここでは、平成28年度調査時の観測地点において、観測地点を中心とした半径7kmの円内における人工被覆率(平成28年度版国土数値情報土地利用3次メッシュ(1kmメッシュ)における建物用地、道路、鉄道、その他の用地の占める割合)を都市化率と定義しています。
表 大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる13地点平均の月平均相対湿度の長期変化傾向(1927年~注2
地点 平均相対湿度変化率(%/100年)
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
札幌 -10.4 -10.7 -12.7 -12.3 -10.9 -9.3 -9.9 -11.1 -14.5 -15.9 -10.2 -9.9
仙台 -9.1 -8.4 -9.8 -9.2 -7.8 -5.5 -5.8 -6.1 -6.1 -9.8 -8.7 -8.9
横浜 -15.6 -15.3 -11.9 -11.9 -9.9 -7.7 -7.7 -8.5 -9.4 -13.2 -13.9 -16.5
名古屋 -15.0 -15.6 -15.1 -17.9 -17.0 -12.3 -11.8 -15.3 -16.5 -18.2 -15.5 -14.7
京都 -11.4 -12.9 -14.6 -16.7 -15.4 -11.7 -11.5 -13.8 -14.3 -14.6 -14.5 -14.2
福岡 -10.8 -13.4 -12.7 -16.9 -15.5 -7.9 -9.7 -13.0 -12.6 -15.9 -15.1 -15.0
13地点平均 -4.3 -5.4 -5.5 -6.7 -6.0 -3.6 -3.9 -4.8 -4.2 -5.3 -4.3 -4.3
数値ファイル(csv形式) 月平均相対湿度の長期変化傾向

100年あたりの変化率を示す。統計期間は1927年から2023年まで。都市ごとに、一年で最も変化傾向の大きい月の数値は赤字、最も変化傾向の小さい月の数値は青字で示している。また、全ての値で信頼水準90%以上で統計的に有意な変化傾向を示している。表中の13地点は、都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点注3から観測場所の移転に伴う影響を除去することが困難な飯田と宮崎を除く13地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、銚子、境、浜田、彦根、多度津、名瀬、石垣島)の平均を表す。また、大都市においても観測場所の移転に伴う影響を除去することが困難な東京、新潟、大阪、広島、鹿児島を比較対象から除いている。

(注2)表中の統計期間は、国内主要都市の統計値が揃う1927年以降としています。

(注3)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありませんが、同じ15地点の平均から算出される日本の平均気温の上昇率は、日本近海の海域を平均した年平均海面水温の上昇率**と同程度の値であり、都市化の影響が比較的小さいと考えられます。(**1908~2023年までのおよそ100年間にわたる日本近海における海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.28°C/100年(気候変動監視レポート2023))


参考


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