オゾン層・紫外線の年のまとめ(2019年)
気象庁が実施しているオゾン観測と紫外線観測の結果を中心に、毎年の状況の調査解析結果を掲載しています。
2018年以前はこちらをご覧下さい。
オゾン層の状況
ここでは、世界平均のオゾン量の減少傾向が止まり、オゾン量がほぼ一定で最も少 なかった1994~2008年の累年平均値を参照値としているが、 衛星観測によるオゾン全量については、データの一部が存在しない等の理由により、1997~2006年の 累年平均値を比較の対象としている。
世界のオゾン層
- 2019年の年平均オゾン全量は、南北両半球の中緯度と高緯度で正偏差、それ以外の赤道付近と南北両半球の低緯度で負偏差となりました。その中で、南半球高緯度の正偏差は特に顕著になりました。(「世界のオゾン層の状況(2019年)」参照)
南極オゾンホール
- 2019年の南極オゾンホールは、大規模なオゾンホールが継続してみられるようになった1990年以降で、最大面積が最も小さく、消滅が最も早くなりました。南極域上空の気温が高く推移したことなど、気象状況が主な要因とみられます。(「南極オゾンホールの状況(2019年)」参照)
北半球高緯度のオゾン層
- 2019年3月の北半球高緯度における月平均オゾン全量は、北半球高緯度の広い地域で大きな正偏差となり、北アメリカ大陸北部では負偏差となりました。12月末に成層圏突然昇温が起きて、気温が高く推移したため、顕著なオゾン層破壊は起こらなかったと考えられます。(「北半球高緯度のオゾン層の状況(2019年)」参照)
日本(札幌、つくば、那覇)及び南極昭和基地の上空のオゾン層
- 2019年の日本の月平均オゾン全量は、札幌では、1月に少なく注)、6月に多くなりました。つくばでは、1、2、8、9月に少なく、5、6月に多くなりました。那覇では、1、2、3、7、9月に少なくなりました。 2019年の南極昭和基地上空の月平均オゾン全量は、5、6月に少なく、3、4月、南極オゾンホール発生時期(8~12月)に多くなりました。 (「日本(札幌、つくば、那覇)及び南極昭和基地の上空のオゾン層の状況(2019年)」参照)
注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年平均)からの差が、参照値の標準偏差より多いときを「多い」、少ないときを「少ない」としている。
紫外線の状況
つくばと南極昭和基地の紫外線
- 2019年のつくばにおける月平均紅斑紫外線量は、1、3、4、5、9、11月に多く注)、特に1、9、11月は1990年の観測開始から2番目に多い値となりました。これは、日照時間が例年より長かったことに加え、1、9月はオゾン全量が例年より少なかったためです。 南極昭和基地における月平均紅斑紫外線量は、8~11月に、観測を開始した1993年以来、その月として最小値となりました。これは、オゾン全量が例年より多かったことが要因です。(「日積算紅斑紫外線量の月平均値グラフ」の2019年を参照)
注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年平均)からの差が参照値の標準偏差より多いときを「多い」、少ないときを「少ない」としている。
関連情報
オゾン層と紫外線の経年変化
オゾン層と紫外線の経年変化についてはこちらをご覧ください。
オゾン層と紫外線のデータ集
オゾン層と紫外線のデータについてはこちらをご覧ください。