オゾン層・紫外線の年のまとめ(2020年)


  気象庁が実施しているオゾン観測と紫外線観測の結果を中心に、毎年の状況の調査解析結果を掲載しています。
  2019年以前はこちらをご覧下さい。

オゾン層の状況

  ここでは、世界平均のオゾン量の減少傾向が止まり、オゾン量がほぼ一定で最も少 なかった1994~2008年の累年平均値を参照値としているが、 衛星観測によるオゾン全量については、データの一部が存在しない等の理由により、1997~2006年の 累年平均値を比較の対象としている。

世界のオゾン層

  • 2020年の年平均オゾン全量は、南北両半球の中緯度の一部と北半球の低緯度で正偏差、それ以外の領域で負偏差となりました。その中で、南北両半球高緯度の負偏差は顕著になりました。これは、北半球高緯度では春季の北極域でオゾン層破壊が例年よりも大きかったこと、南半球高緯度では南極オゾンホールの規模が例年より大きく推移したことが要因と考えられます。「世界のオゾン層の状況(2020年)」参照)

南極オゾンホール

  • 2020年の南極オゾンホールの規模は、最近10年間の平均値より大きく推移し、消滅が2008年と並んで観測史上最も遅くなりました。南極域上空の気温の低い状態が例年より長く継続したことなど、気象状況が主な要因と考えられます。 (「南極オゾンホールの状況(2020年)」参照)

北半球高緯度のオゾン層

  • 2020年春季の北半球高緯度では、顕著なオゾン層破壊が観測されました。北半球高緯度の広い範囲で3月の月平均オゾン全量が、極付近を中心に-30%以下の負偏差となりました。北極域上空で極域成層圏雲が出現するような気温の低い状況が冬季から春季にかけて長期間継続したためと考えられます。 (「北半球高緯度のオゾン層の状況(2020年)」参照)

日本(札幌、つくば、那覇)及び南極昭和基地の上空のオゾン層


注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差より多いときを「多い」、少ないときを「少ない」としている。


紫外線の状況

つくばと南極昭和基地の紫外線

  • 2020年のつくばにおける月平均紅斑紫外線量は、7月に少なく注)なりました。5、6、8、11月に多く、特に8月は1990年の観測開始からその月として1番目に多い値となりました。こうした状況は日照時間の影響に加え、6、8月はオゾン全量が例年より少なかったためです。南極昭和基地における月平均紅斑紫外線量は、11、12月に多く、特に11月は1993年の観測開始からその月として1番目に多い値となりました。これは、オゾン全量が例年より少なかったためです。(「日積算紅斑紫外線量の月平均値グラフ」の2020年を参照)

注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差より多いときを「多い」、少ないときを「少ない」としている。


関連情報

オゾン層と紫外線の経年変化

 オゾン層と紫外線の経年変化についてはこちらをご覧ください。

オゾン層と紫外線のデータ集

 オゾン層と紫外線のデータについてはこちらをご覧ください。

このページのトップへ