平成23年台風第12号による8月30日から9月5日にかけての大雨と暴風 平成23年(2011年)8月30日~9月5日
紀伊半島を中心に記録的な大雨。
災害状況
死者82名、行方不明者16名、負傷者113名
住家全壊379棟、半壊3,159棟、一部損壊470棟
床上浸水5,500棟、床下浸水16,594棟など
(消防白書より)
概要
8月25日9時にマリアナ諸島の西海上で発生した台風第12号は、発達しながらゆっくりとした速さで北上し、30日に小笠原諸島付近で大型で強い台風となった。台風第12号は、進路を一旦西に変えた後、9月2日に四国地方に接近、3日10時頃に高知県東部に上陸、18時過ぎに岡山県南部に再上陸した。その後台風第12号は4日未明に山陰沖に進み、5日15時に日本海中部で温帯低気圧に変わった。
台風が大型でさらに動きが遅かったため、長時間にわたって台風周辺の非常に湿った空気が流れ込み、西日本から北日本にかけて、山沿いを中心に広い範囲で記録的な大雨となった。8月30日17時から9月5日24時までの総降水量は、紀伊半島を中心に広い範囲で1000ミリを超え、多いところでは年降水量平年値の6割に達し、紀伊半島の一部の地域では解析雨量で2000ミリを超えた。
また、西日本の太平洋側を中心に平均風速20メートルを超える非常に強い風、海上では波の高さが6mを超える大しけとなり、沿岸では高潮となった。
気象庁では、気象警報などの各種防災気象情報を発表し、災害への警戒を呼びかけた。また、非常災害対策本部会議や災害対策関係省庁連絡会議、各県災害対策本部へ職員を派遣し、各市町村へも、台風説明会やホットラインなどを用いて気象解説を行った。さらに、気象庁ホームページにポータルサイトを開設し、二次災害防止や復旧活動支援のための情報を掲載し、各市町村の防災担当者を支援した。
今回の台風による土砂災害、浸水、河川のはん濫等により、埼玉県、三重県、兵庫県、奈良県、和歌山県、広島県、徳島県、香川県、愛媛県などで死者78名、行方不明者16名となり(被害状況は、平成23年11月2日17時現在の消防庁の情報による)、北海道から四国にかけての広い範囲で床上・床下浸水などの住家被害、田畑の冠水などの農林水産業への被害、鉄道の運休などの交通障害が発生した。また、和歌山県や奈良県内では豪雨に伴う山崩れにより河道閉塞(天然ダム)が生じたため、警戒区域が設定され住民の立ち入りが規制されるなど、警戒が続けられている。
詳しくは、災害時自然現象報告をご覧ください。
関連資料へのリンク
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問い合わせ先
気象庁大気海洋部気象リスク対策課 電話 03-6758-3900(内線 4256, 4257)
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