エルニーニョ監視速報の構成

「エルニーニョ監視速報」は、太平洋熱帯域およびインド洋の熱帯域の海面水温の実況と予測に関する主文と解説と、その基盤となる監視・予測資料から成り立っています。 この構成は、利用者が目的に応じて必要な情報を取得できるように考慮したものになっています。エルニーニョ現象等の現状及び見通しに関する結論を知りたい場合は、まず最初の「主文とその解説」を読み、さらに詳しく知りたい場合には「監視・予測資料」を参照するといった利用のされ方を想定しています。

2.1 「主文と解説」

主文と解説」では、エルニーニョ/ラニーニャ現象に関連した見通し(主文)と、実況および予測に関する平文と図表(解説)を掲載しています。

主文」には次の事項に関する見解を箇条書きで記述します。

  • エルニーニョ現象等を中心とした太平洋赤道域の状況と向こう半年間の見通し
  • インド洋熱帯域の海面水温の状況

    主文の下の図

    図1: エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生・終息の指標に用いる 「エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値」の、大気海洋結合モデルによる予測結果を掲載します。
    図2: エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率を示す図として 「5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率」を掲載します。

    エルニーニョ/ラニーニャ現象の表現について

    「エルニーニョ監視速報」では、 速報性の観点から、実況と予測を合わせたエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が +0.5℃以上の状態で6か月持続する場合に「エルニーニョ現象が発生」、 −0.5℃以下の状態で6か月持続する場合に「ラニーニャ現象が発生」と表現しています。


解説」では参考となる図表を引用して、次の項目について説明します。

  • 太平洋:  赤道域と西太平洋熱帯域の実況および見通しの根拠
  • インド洋: 熱帯域の海面水温の実況および見通し
  • 影響:   太平洋およびインド洋のこれまでの実況の推移に関係して、日本あるいは世界の天候に表れた特徴

2.2 「監視・予測資料」

監視・予測資料」には、「発表日前月の熱帯域の海洋と大気の状況」と「大気海洋結合モデルによる予測結果」に関する図表を掲載しています。

発表日前月における熱帯域の海洋と大気の状況

以下の3つのパートに分かれ、各々に図表が掲載されています。

  1. エルニーニョ監視指数
    • エルニーニョ監視海域の海面水温と南方振動指数の最近1年間の値
    • 図3 各監視指数の最近10年間の経過

  2. 海洋
    • 図4 海面水温及び平年偏差の分布図 (発表の前月)
    • 図5 赤道に沿った水温および平年偏差の深度400mまでの断面図 (発表の前月)
    • 図6 赤道に沿った海面水温平年偏差の経度−時間断面図 (最近の2年間)
    • 図7 赤道に沿った海面から深度300mまでの平均水温平年偏差の経度−時間断面図 (最近の2年間)

  3. 大気
    • 図8 熱帯域の大気の監視指数(OLR指数、赤道東西風指数)の最近10年間の経過
    • 図9 外向き長波放射量(OLR)および平年偏差の分布図 (発表の前月)
    • 図10 赤道に沿った速度ポテンシャル(200hPa)と東西風速(850hPa)の平年偏差の経度−時間断面図(最近の9か月)

大気海洋結合モデルによる予測結果

各監視海域の最近11か月の実況と、発表の月と6か月後までの予測が掲載されています。

  • 図11 エルニーニョ監視海域の海面水温予測 (基準値との差)
  • 図12 西太平洋熱帯域の海面水温予測 (基準値との差)
  • 図13 インド洋熱帯域の海面水温予測 (基準値との差)

このページのトップへ