オゾン層・紫外線の年のまとめ(2023年)


  気象庁が実施しているオゾン観測と紫外線観測の結果を中心に、毎年の状況の調査解析結果を掲載しています。
  2022年以前はこちらをご覧下さい。

オゾン層の状況

  ここでは、世界平均のオゾン量の減少傾向が止まり、オゾン量がほぼ一定で最も少なかった1994~2008年の累年平均値を参照値としているが、衛星観測によるオゾン全量については、データの一部が存在しない等の理由により、1997~2006年の累年平均値を比較の対象としている。

世界のオゾン層

  • 2023年の年平均オゾン全量は、北半球高緯度や南半球中・低緯度で広く正偏差、それ以外の領域で概ね負偏差となりました。 特に南半球高緯度の負偏差は顕著となり、南極オゾンホールの規模が最近10年間の平均値より概ね大きく推移したことが要因と考えられます。 (「世界のオゾン層の状況(2023年)」参照)

南極オゾンホール

  • 2023年の南極オゾンホールの規模は、最近10年間の平均値より概ね大きく推移しました。南極域上空の気温の低い領域が最近10年間の平均値より広く推移したことなど、気象状況が主な要因と考えられます。 (「南極オゾンホールの状況(2023年)」参照)

北半球高緯度のオゾン層

  • 2023年3月の北半球高緯度における月平均オゾン全量は、北極域を中心に正偏差となり、+20%以上の正偏差の領域もみられました。北半球高緯度の下部成層圏の気象状況から、2023年の北半球では顕著なオゾン層破壊は起こらなかったと考えられます。 (「北半球高緯度のオゾン層の状況(2023年)」参照)

つくば及び南極昭和基地の上空のオゾン層

  • 2023年のつくばの月平均オゾン全量は、2月、4月、8月に少なく注)、10月に多くなり、10月は観測開始(1957年)以来、10月として最も多い値となりました。南極昭和基地上空の月平均オゾン全量は、4月に多く、1月、11月に少なくなり、11月は観測開始(1961年)以来、11月として最も少ない値となりました。11月はオゾンホールが南極昭和基地の上空にかかることが多かったことが原因として考えられます。 (「つくば及び南極昭和基地の上空のオゾン層の状況(2023年)」参照)


注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差以内にあるときを「並」、それより大きいときを「多い」、それより小さいときを「少ない」としている。


紫外線の状況

つくばと南極昭和基地の紫外線

  • 2023年のつくばにおける月平均紅斑紫外線量は1~11月にかけて多く注)なり、特に2月、4月、7月は1990年の観測開始からその月として最も多い値、8月、9月はその月として2番目に多い値、10月はその月として3番目に多い値となりました。また、2023年のつくばにおける紅斑紫外線量の年積算値も1990年の観測開始から最も多くなりました。これらは、2月、4月はオゾン全量が少なかったこと、7月、9月、10月は日照時間が多かったこと、8月はオゾン全量が少なくかつ日照時間が多かったことが要因と考えられます。
  • 南極昭和基地における月平均紅斑紫外線量は、11月に多くなり、1993年の観測開始からその月として3番目に多い値となりました。これはオゾン全量が少なかったことが要因と考えられます。
    「日積算紅斑紫外線量の月平均値グラフ」の2023年、及び 「紫外線の経年変化」を参照)

注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差以内にあるときを「並」、それより大きいときを「多い」、それより小さいときを「少ない」としている。


オゾン層・紫外線の経年変化


参考資料



関連情報



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