気象庁 | 気候リスク管理技術に関する調査(アパレル分野)


B社 靴の販売構成比

1. 販売数と気温の関係を調べる

全年を通して靴の部門別販売構成比率がどのような季節変化をするか、気温の実績値と照らし合わせて関係をみる。

用いたデータ

  • 気象データ:東京(大手町)の日最高気温、日平均気温、日最低気温および日平均気温平年値
  • 販売データ:首都圏店舗における靴の部門別(パンプス類、サンダル、ブーツ類、その他)の日別販売数
    • 曜日による違いの影響を除いて、気温と販売数の関係を見やすくするため、気温データ、販売データとも対象日(横軸)を中心に7日移動平均して用いた。
    • 近年の平均的な気温の傾向と販売数の関係をみるために、2008年から2013年の6年間のデータを平均している。

結果

夏はサンダルの、冬はブーツ類のシェアが高まることがわかる。春と秋は両アイテムのシェアが低く、相対的にパンプスのシェアが高まる。
サンダルは夏の気温ピーク前にシェアのピークを迎え、その後はシェアが急速に縮小している。


【協力社からのコメント】
  • プロパー品(正価販売)のサンダルの構成比としては、実際には6月末まで上昇し、7月に入るとピークを迎え、その後減少していく様子がわかる。 気温の上昇・最高点の前にセールへの移行という営業的な要因で気温と構成比が乖離していくことになる為、プロパー販売期間内に気温の上昇に合わせた効率的な販売につながる商品供給が必要となる。
  • 7月初旬は、盛夏期の気温のピークの35日から40日前となる。グラフから、その時点では気温は上昇している中で、プロパーでのサンダルの構成は下降傾向にあることがわかる。販売実績と気温との相関が、ある程度把握できている状況で、サンダルのより適切な販売方法(プロパーでの扱い)を検討することも考えられる。但し、ファッションビジネスとして、季節感の先取りという提案要素も鑑みなければならないので熟考が必要ではないだろうか。
  • 各カテゴリーの中でもブランド(対象年代層)別にも気温との関係があり、より低年齢をターゲットにしたブランドは立ち上がりが全般に早く、気温との関係性がやや低い。比較的高年齢をターゲットにしたブランドは立ち上がりがやや遅く、気温との相関性が高い。

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(参考)調査報告書

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