ブルゾンの販売数と気温との関係をみる。季節の進みとともに気温が下がっていく第33週(8月中旬頃)から第52週(12月下旬頃)の期間が対象。
ブルゾンは、消費者にとって秋を実感し装いを楽しむファッション感度の高いアイテムであり、秋口においては気温の下降とともに売上が上昇し、 平均気温が25℃を下回るタイミングで売上が急増する。
ブルゾンの販売数と気温の関係が明瞭にみられたことから、その関係を利用し、気象庁が発表する異常天候早期警戒情報の2週間先の気温予測を活用した対応策を、2010年の実際の予報を例に示す。
ブルゾンの販売数が大きく伸びる目安温度は平均気温が25℃(以下)。2週間先の予測ではその確率を参考にする。
発表日 | 確率時系列 | 確率密度分布 |
---|---|---|
8月27日(金) | ||
8月31日(火) | ||
9月3日(金) |
発表日 | 内容 | 対応策案 |
---|---|---|
平成22年8月27日(金) (予測対象期間:9月1日~9月10日) |
平年を大きく上回る可能性が高く厳しい残暑が続く予想。25℃を下回る確率は9月4日からの1週間で7%。 | 残暑傾向のため、ブルゾンの展開は例年より遅くする判断。その分、カットソーやパンツなどの軽衣料中心の品揃えで売り場を維持する指示を出す。 |
平成22年8月31日(火) (予測対象期間:9月5日~9月14日) |
引き続き厳しい残暑が予想されるが、期間終わりには気温が平年並に近づく可能性が出てきた。25℃を下回る確率は9月8日からの1週間で27%。 | 25℃を下回る確率はまだ小さいが、期間の終わりは厳しい残暑がやわらぐ可能性も。秋物の品揃えとしてブルゾンの展開(売場後方)をスタートするが、体感的には気温以上の涼しさが予想されるため、指示があり次第、ブルゾンの本格的な出荷(店頭在庫量の増加)ができるような態勢を整えるよう指示。 |
平成22年9月3日(金) (予測対象期間:9月8日~9月17日) |
まだ引き続き気温は平年より高く残暑が続く予想だが、期間後半には多少落ちつく予想。25℃を超える確率は9月8日からの1週間で5%だが、その後次第に確率は大きくなり9月11日からの1週間では44%。 | ブルゾンの積極展開スタートを社内で共有。店頭ディスプレイではバリエーションの豊富さをアピール。POPや店員の接客トークにも力を入れるよう、本部から通達を発信。 |
本調査対象期間の2010年の夏は北日本、東日本を中心に記録的な猛暑だった。8月の東日本は太平洋高気圧に覆われ、厳しい暑さが続き、この高温は9月中旬にかけて続いた。 9月下旬、一時的に寒気が入り、気温が平年を下回った。平均気温が25℃を下回るタイミングは平年より遅れ、9月中旬中頃であった。
東京の2010年8月から10月の気温推移(7日移動平均) |
アイテム別の販売数と気温との関係 |
|
アイテム別の販売構成比の気温との関係 |
|
素材別の販売構成比と気温との関係 |
|
気温以外との関係 |