異常気象リスクマップ
極端な多雨・少雨の年が増えている(全国51地点平均)
図aは、全国51地点における1901~2006年の年降水量平年比を平均した値の経年変化グラフで、1931~2006年の各年について、前30年間の平均値と前30年間の標準偏差(平均的な変動の大きさ)も示してあります。
全国平均の年降水量平年比は長期的にはどちらかというと減少傾向にありますが、同時に平均的な年々の変動幅(標準偏差)が増大しています。1970年代以降は、平年比80%程度の極端な少雨の年が増える一方、平年比120%程度の多雨の年も引き続き現れています。全国平均の年降水量平年比について、20世紀初頭の30年(1901~1930年)で算出した標準偏差は8.7%で、最近30年(1977~2006年)で算出した標準偏差は12.6%となっており、約1.4倍に増大しています。
図a 年降水量平年比とその変動幅の時系列グラフ
●のついた緑色の折れ線は全国51地点で平均した年降水量平年比(%)の各年の値。平年値は1971~2000年の統計。
緑色の滑らかな折れ線は年降水量平年比の前30年平均値で、緑色の縦線は前30年間で算出した平均的な変動幅(標準偏差)。
図bは、地点別に1901~1930年で算出した標準偏差と1977~2006年で算出した標準偏差の比率を示した分布図です。西日本を中心に、ほとんどの地点で標準偏差が増大傾向となっており、地点毎に見ても、全国的に年降水量の変動(多雨年と少雨年の差)が大きくなっていることを示しています。
図b 年降水量の変動幅の変化
全国51地点の年降水量平年比について、1901~1930年の標準偏差で1977~2006年の標準偏差を割った値(比率)の分布。
赤色(青色)の地点では年降水量の変動幅が増大(減少)していることを示す。